子供の受け口(反対咬合)について
お子様の上下の歯のかみ合わせが反対である受け口は、下の顎が前に出た状態であり横顔がしゃくれて見えるケースです。見た目が不自然であり、食べ物を噛むことが難しく、将来的には発音障害や顎関節症の心配あります。
反対咬合は乳歯列期(3歳~)、遅い場合でも混合歯列初期(7歳まで)に治療をすることを推奨しています。下顎の骨は、思春期に身体の成長に合わせて突然大きく成長します。早目に骨格性の反対咬合を改善しないと、一般的な成人矯正でも治療が難しくなってしまいます。
受け口の原因
そもそもお子様が受け口となる原因は大きく2つあります。1つ目は遺伝的原因です。下顎が大きいケースや、上顎が小さいなどの骨格性の遺伝が反対咬合になる原因の一つです。2つ目の原因は、口周りの悪習癖によるものです。指しゃぶりや、口呼吸は反対咬合の原因となります。しっかり鼻で呼吸している場合は、舌の位置は上顎の内側(スポットと呼ばれる正しい位置)に接触しています。しかし口呼吸の場合は、舌の位置が下がり下顎の前歯の裏側を舌で押す結果として顎全体が、前に押し出されてしまうことがあります。
受け口の治療方法と治療のタイミング
上記のように、受け口となる原因は骨格による問題や悪習癖、遺伝的要素など様々です。まだまだ顎の成長をも込めるお子様ですから後戻りも心配です。そして、受け口は遺伝の要素も強いので、成長の過程でそうなるのではなく、乳歯の頃に受け口になっているという子供も多いです。乳歯の受け口は、小児歯科でマウスピース(プレオルソ)を使った矯正法で、治療することが可能となります。
マウスピースは日中1時間と夜の間つけているというスタイルで、6か月から1年半の期間をめどに治療は行われます。子供の日中の作業に影響しないようにと組まれた治療スケジュールとなっています。子供の歯並びを良くしたいけど、子供にあまり負担をかけたくないと考える親御さんにも配慮した治療となっております。
乳歯の内に治療しても永久歯が生える時に元に戻ってしまうのではないか、永久歯に生え変わる時に自然に矯正されるのではと考える親御さんに向けて、小児歯科が勧める第二の治療のタイミングは、上の前歯が生え変わる時です。最も存在感の大きい前歯が、下の歯よりも後ろの方向に生えてしまう場合には、そのまま成長しても受け口となることは避けられません。
この時には上顎を広げる矯正治療をして、下顎よりも遅れている上顎の成長を促しての改善を求めます。治療の期間は成長のリズムに合わせて一年半ほどと、マウスピースでの治療よりも長くなります。
永久歯が生え揃うまで待った場合、方法は抜歯も視野に入れてのブラケット矯正法に変わります。歯の一本一本に金具をつけた、非常に規模の大きい治療法です。そうした手段しか残らないタイミングではなく、まだ歯が大人の構造になっていないうちに矯正をした方が良いかと思われます。
プレオルソ
プレオルソは、取り外しの出来るマウスピース矯正装置で、生え変わりの大切な時期のお子様だから出来る「取り外し式マウスピース矯正で行う」「歯を抜かない」「殆ど痛くない」矯正のことです。
島田歯科医院では、プレオルソのタイプⅢを使い、子供の受け口の早期初期治療に使います。大人の歯に生え揃ってからでは、スペースが足らずに歯を削ったり、抜いたりしないと綺麗に並ばないことがほとんどです。しかし小児の時期に行う場合は、歯が生え変わることや、顎の骨の成長を利用して「抜かずに無理なく」矯正できます。
プレオルソのタイプⅢは、舌側にバンパーがあり、上の前歯を前に押す力が強く反対咬合が治りやすくなります。
プレオルソの効果
- 歯並びの改善
- 噛み合わせの改善
- 発音や口呼吸(お口ポカン)を改善
- 舌のトレーニングが可能
- 口腔の筋肉を整えて、顎の成長もコントロールします
プレオルソ3つの特長
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1日中の取り外しが可能で快適に過ごせます
従来の矯正治療のようにワイヤーやブラケットなどの固定装置を使用しないので、頬の内側や唇・舌などの粘膜を傷つける心配がございません。取り外し式のマウスピース矯正装置の場合、痛みや違和感がほとんどなく快適にお過ごしできます。
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2清潔にストレスを抱えることなく食事ができます
マウスピースは取り外し可能ですので、食後は歯磨きで隅々までしっかりと磨く事が可能となっています。食事の際にも従来の固定式矯正装置のように食べ物が装置に挟まる心配もなく、何でも好きな物を食べられて栄養も十分取ることができます。
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3柔らかい素材を使用しており、金属アレルギーのお子様も安心です
金属など針金を歯につける矯正治療と違い、ご家庭のライフスタイルに合わせて装着する時間帯が決められますので、お友達に気付かれることはありません。
インビザラインファースト
子どもの反対咬合(受け口)の早期初期治療
プレオルソは、取り外しのできるマウスピース型の矯正装置で、子供の反対咬合(受け口)の早期初期治療に使います。
前歯の反対咬合(受け口)です。
夜寝る時にマウスピース型の矯正器具を使ってもらいました。
半年後には、歯並びにも顔立ちにも変化がございました。
反対咬合をなおすと、顔もきれいになります。
反対咬合の治療前は、顔の真ん中がくぼみ、下顎が出て、反対咬合特融の受け口の顔になりますが、しっかりマウスピースをすることで顔立ちの印象も大分良くなります。
他には、奥歯の反対咬合のお子様も、見受けられます。
このケースの子は、顎が曲がってしまうことが多いです。
例えば、右の奥歯が反対咬合になっていることで、顎も右に曲がってしまいます。
反対咬合は、なるべく早めに治療を開始して、早くきれいな噛み合わせにすることによって、顔もいい顔にすることが大切です。
反対咬合は、早く治さないと、治療がだんだん困難になってきます。
反対咬合の治療は、乳歯列(3歳から)、遅くても混合歯列初期(7歳までに)に治療することをおすすめします。
遅くなると骨格的反対咬合(下顎が大きくなる)になり、歯の矯正治療では治せなくなっていきます。
日本矯正歯科学会で発表されたデータによると、乳歯列の反対咬合で永久歯がはえてきて自然になおったのは、6%だけだそうです。
永久歯に生え変わっても反対咬合だったのは94%です。
反対咬合は自然に治る可能性はかなり低いということです。
また、両親に反対咬合がある遺伝的なものは、自然には、なおりません。